(2011年08月17日)
 
三星(サムスン)が岐路に立っている。李健煕(イ・ゴンヒ)三星電子会長は定期出勤を再開した4月、「世界で私たちとは関係のない、電子会社でない会社までも、三星に対する牽制を強めている」とし「出る杭は打たれるという原理」と述べた。
 
最近の三星を見ると‘出る杭’だ。アップルは9カ国で20余件の特許侵害訴訟を三星と繰り広げている。友軍と考えていたグーグルは携帯電話企業のモトローラを買収し、三星を締めつけ始めた。
 
市場も良くない。米国債の格下げ後、世界経済の不確実性が強まり、半導体と液晶画面(LCD)パネル価格は落ちている。好調だったスマートフォンは  flytouch3
運営体制の主であるグーグルという恐竜とぶつかった。半導体・LCD・携帯電話・テレビ家電の4つの事業軸のうち、前の3事業が強力な牽制に苦しんでいるのだ。このため100万ウォンを超えていた株価は70万ウォン台まで落ちている。
 
HMC投資証券のアナリスト、ノ・グンチャン氏は「三星が体質を改善しているが、ペースが遅い」とし「三星は現在、ソフトウェアと結合したIT企業に進むか、単なるハードウェア企業として残るかの岐路に立っている」と述べた。
 
こうしたトレンドをよく把握しているため、李健煕会長の顔には緊張した表情が見える。最近、部門別の社長団会議を開いて突破口を模索している背景には、「このままでは日本ソニーの二の舞になる」という危機感がある。また太陽電池とバイオのような新種事業はまだ開始して間もない段階だ。
 
LCD事業部門はさらに深刻だ。2期連続で赤字となった。ディスプレイサーチによると、40-42インチのLCDテレビ用パネル価格が昨年初めの340ドル水準から最近は231ドルまで落ち、7-9月期も黒字転換を期待するのは難しい。さらに日本の日立・ソニー・東芝が中小型LCDパネル事業を統合することにし、三星電子を脅かしている。日本のシャープと台湾の鴻海はLCDパネルの合弁を進めている。シャープは60インチ級テレビの大型パネルを鴻海に供給し、鴻海は携帯電話と  アンドロイド アプリ
の中小型パネルをシャープに供給する。
 
携帯電話事業は‘最も大きく出た杭’だ。スマートフォン新製品のギャラクシーS2が世界市場で最短期間に販売500万台を超え、アンドロイド陣営のトップになったのが禍根となった。アップルが4月、米カリフォルニア北部地裁で特許侵害訴訟を起こして以来、これまで20余件の侵害訴訟が進行中だ。
 
延世(ヨンセ)大のキム・テヒョン教授(経営学科)は「半導体市場が厳しくなり、三星全体から力が抜けている様相」とし「三星の中では以前から創意性という言葉が強調されてきたが、果たしてどれほど成果が出ているのかは疑問」と述べた。
 
 

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